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アルカリイオン水

アルカリイオン水(アルカリイオンすい)は、アルカリイオン整水器(アルカリイオン生成機ともいう)から作られた飲料水のこと。アルカリイオン整水器が市場を形成しているのは日本だけである。なお、「アルカリイオン」は学術用語ではなく、学術的定義は無い。


アルカリイオン水の起源
 1950年代の日本にて、ある手法にてアルカリ性の水を生成すると、その水は奇跡のような治癒効果をもたらす云々ということが小さなブームとなった。ある手法とは、諏訪方季氏がつくった電気分解水機器を用いるものである。当時の名前は「シンノオル液」である。

 この水が本当に医療的臨床効果があったのかどうかは定かでない。しかし、一定のブームが起こり、「シンノオル農法」と造語が作られたり、「シンノオル液医学薬学研究会」なるものが設立されたりした。この乱立する電気分解水機器メーカー、業界団体は、さまざまな運動の結果、1965年(昭和40年)当時の厚生省に電気分解水機器を「医療用物質生成器」として認めさせることに成功した(薬発第763号)。このとき、乳酸カルシウムの添加した水の分解という制限がなされた。

 このとき認められた項目は「慢性下痢・胃酸過多・制酸・消化不良・胃腸内異常醗酵」である。しかし、問題は、この生成水がそういった効果効能を持つことが臨床的に証明されているわけではなかったことである。

 業界団体が厚生労働省の指導の形でこれらの項目の臨床検証を始めたのは、1990年代に入ってのことである。その結果、臨床効果に明瞭な差は見られなかったものの統計的有意差があるとして、効果は検証されたものと報告された。


アルカリイオン水の効果効能
 生成水の効果効能は、登場当初はさまざまなものが謳われたようである。薬事法違反となる医療効果を明示的・暗示的に標榜する製品や浄水器がたびたび現われ、マルチ商法や催眠商法が行れたために、厚生省(後の厚生労働省)はしばしば通達をだして規制をしなければならなかった。

 また、厚生省は業界団体の形成を促して自主規制を作るよう仕向けた。これらの指導により、次第に、あたかも奇跡の水であるかのごとく効果を謳う商品は淘汰されていった。現在では、アルカリイオン生成機は販売するためには厚生労働省の認可を採らなければならない。

 また、その効果に関してもアルカリ水に対して「胃腸症状改善」のみを表示できる。酸性水は効果の表示はできない。旧薬事法ではアルカリ水に対して「慢性下痢・胃酸過多・制酸・消化不良・胃腸内異常醗酵」、また同時に生成される酸性水のアストリンゼントによる美容効果を表示することができたが、改正薬事法では表示不可となった。


アルカリイオン水の現状
 このような薬事法による厳しい規制がかせられた現在でも、このような生成機の業者は消えたわけではなく、インターネット時代を迎えてむしろ増加している傾向にある。薬事法を無視した「奇跡の治癒水」を売る業者はいまだ跡を絶たない。


アルカリイオン水の製法
 アルカリイオン水の製法は企業秘密とされる場合もあるが、基本はイオン交換膜を塩橋として電極間を隔てた電気分解によるものである。水溶液に電極を用いて電圧をかけると、陽極では陰イオンが酸化され、陰極では陽イオンが還元される。水道水中には様々なイオンが溶解しているが、どのイオンが酸化および還元されるかは溶存するイオンの酸化還元電位(還元電位)とイオンの濃度とによる。

したがって、最終生成物がどのような組成であるかはもともとの水道水の成分に依存する。一般には、陰極では水素が発生し溶液はアルカリ性となるので、これを取り出して飲用に供している。一方、陽極で水酸化物イオンが酸化され酸素を発生し酸性の溶液が生成される。

いずれにせよ、もともとの水道水に含まれる以上にアルカリ金属、アルカリ土類金属(またはミネラル成分)が増加するわけではない。こういった成分を増加させるために元の水道水に何らかの電解質を加える場合があり、この電解質に陽イオンとしてアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンが使われる場合がある。

なお、陰イオンとして塩化物イオンが含まれる場合は、これが水酸化物イオンより先に酸化されて塩素が発生し、溶液が一部次亜塩素酸となる。飲用には適さないが、殺菌効果が増加する可能性はある。アルカリ金属(水素を除く第1族元素)およびアルカリ土類金属(第2族元素)と、アルカリ性(塩基性。pH が7より大きい溶液を指す)とはまったく異なる言葉である。すなわち、アルカリ金属イオンの存在と溶液のアルカリ性とは関係はない。

 アルカリ金属元素のうちのナトリウムとカリウム、アルカリ土類金属のうちマグネシウムとカルシウムはミネラルとして人体にとって必須元素であるとされる。このような成分の濃度が高い水を硬水、濃度が低い水を軟水と呼ぶ。日本の河川の多くは軟水であるため、特に摂取が必要と言われているが、添加物として加えない限りこれらミネラル成分が生成されることはない。

 一方、pH が7より大きい溶液をアルカリ性と呼ぶ(pH、アルカリ性・塩基性の正しい定義は各々の項を参照)。アルカリ金属イオンはイオン化傾向がきわめて大きく、水溶液中では陽イオンとして存在するため、対応する(水酸化物イオン以外の)陰イオンがなければ水酸化物イオンを発生し溶液はアルカリ性になる。なお、陰イオンが存在する場合、例えば塩化ナトリウム(食塩)は同じナトリウムイオンを含むが、溶液は中性である。
(Wikipedia)

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